遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引(Delayed Sweep)とは文字どおり遅れて掃引することの意味です。
オシロスコープの動作は、入力信号があると(すぐにトリガ信号を発生してトリガ回路が動作し掃引を開始するので)その時点からの波形がスクリーンで見られます。
つまり、入力があれば遅滞なく掃引することで私たちはリアルタイムで波形を観測することができます。
「遅れて掃引する」の本質的な意味は「波形の部分拡大」にあります。
波形の拡大はSWEEP TIME/DIVツマミを右に回し掃引時間を速くすることで可能ですが、これではトリガ点からの波形拡大になり拡大率が上がれば上がるほどトリガ点の近くしか見ることができません。
そこで、このトリガ点から離れた(ある時間だけ遅れた)波形の一部分を拡大する方法として「遅延掃引」が使われます。
遅延掃引とは
波形の任意の部分を自由に拡大して観測したいというニーズに対し、「SWEEP TIME/DIV」ではトリガ点からの拡大、「×10MAG」では拡大率が10倍に固定と、この両方とも条件を満たすことができません。
そこで考え出されたのがこれから説明する「遅延掃引」です。遅延掃引は冒頭で触れたように、文字通り遅れて掃引することの意味で、トリガ点から離れた(ある時間だけ遅れた)波形の一部分を拡大する方法です。
遅延掃引の特徴
これまでの方法では波形拡大におのずと限度があります。そこでこの問題を解決する意味で「遅延掃引」が考案されました。
この遅延掃引の特徴は、
● 波形の任意の部分を拡大して観測できること。
● その拡大率が可変できること。
次にもう少し順を追って遅延掃引ならではの特徴を説明します。
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2014/03/11
No. 91 遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引(Delayed Sweep)
主掃引と遅延掃引
通常は、信号の入力によりトリガ信号が発生し、それによって掃引が開始するわけですが、遅延掃引では、このトリガ信号からある時間遅らせて別のトリガ信号(遅延トリガ信号という)を作り、そこから別の掃引回路で掃引を開始させることにより、波形の任意の部分の拡大を可能にしています。
つまり、遅延掃引の機能があるオシロスコープには掃引回路が二つあり、それぞれ主掃引(A掃引ともいう)、遅延掃引(B掃引ともいう)と呼ばれ、個々に掃引時間が変えられます。上図のように、最初の元になった掃引を主掃引が行い、波形の全体をスクリーンに表示させ、後から掃引を開始した遅延掃引が、拡大された波形の部分だけを表示する役目をしています。
主掃引と遅延掃引
通常は、信号の入力によりトリガ信号が発生し、それによって掃引が開始するわけですが、遅延掃引では、このトリガ信号からある時間遅らせて別のトリガ信号(遅延トリガ信号という)を作り、そこから別の掃引回路で掃引を開始させることにより、波形の任意の部分の拡大を可能にしています。
つまり、遅延掃引の機能があるオシロスコープには掃引回路が二つあり、それぞれ主掃引(A掃引ともいう)、遅延掃引(B掃引ともいう)と呼ばれ、個々に掃引時間が変えられます。上図のように、最初の元になった掃引を主掃引が行い、波形の全体をスクリーンに表示させ、後から掃引を開始した遅延掃引が、拡大された波形の部分だけを表示する役目をしています。
ラベル:
A掃引,
B掃引,
Delayed Sweep,
掃引,
掃引回路,
第12章 遅延掃引(Delayed Sweep),
遅延掃引
No. 92 遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引(Delayed Sweep)
A & B SWEEP TIME/DIV(A & B 掃引時間切替器)
掃引時間を段階的に可変するスイッチで、遅延掃引の機能があるオシロスコープにはSWEEP TIME/DIVスイッチが二つあります。
上図でもわかるように、スイッチは同軸(2軸)になっています。外側の大きなツマミがA SWEEP TIME/DIVスイッチ、内側の小さなツマミがB SWEEP TIME/DIVスイッチで、パネルの単位表示は共用になっています。
左側のツマミは掃引時間を微調節するVARIABLEツマミで、A SWEEP TIME/DIVスイッチとB SWEEP TIME/DIVスイッチと同軸(3軸)の機種もあります。
通常は、A掃引のA SWEEP TIME/DIVスイッチだけを使いますが、遅延掃引を行う時にはB掃引のB SWEEP TIME/DIVスイッチも併用します。
A & B SWEEP TIME/DIV(A & B 掃引時間切替器)
掃引時間を段階的に可変するスイッチで、遅延掃引の機能があるオシロスコープにはSWEEP TIME/DIVスイッチが二つあります。
上図でもわかるように、スイッチは同軸(2軸)になっています。外側の大きなツマミがA SWEEP TIME/DIVスイッチ、内側の小さなツマミがB SWEEP TIME/DIVスイッチで、パネルの単位表示は共用になっています。
左側のツマミは掃引時間を微調節するVARIABLEツマミで、A SWEEP TIME/DIVスイッチとB SWEEP TIME/DIVスイッチと同軸(3軸)の機種もあります。
通常は、A掃引のA SWEEP TIME/DIVスイッチだけを使いますが、遅延掃引を行う時にはB掃引のB SWEEP TIME/DIVスイッチも併用します。
No. 93 遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引
遅延時間
最初のトリガ信号の発生から遅延トリガ信号の発生までの時間を遅延時間と呼び、DELAY POSITIONツマミ(機種によっては、DELAY TIME POSITION、略してDTPまたはDTPダイヤルともいう)で可変できます。
遅延掃引では、下図のように、スクリーンに表示されている主掃引の波形の拡大したい部分の左端(遅延掃引の開始点になります)に、輝度変調(波形の一部分を明るくする)のかかった部分の左端をDELAY POSITIONツマミで合わせます。
このDELAY POSITIONツマミによりスクリーン上では水平軸の幅(0.2 div〜10 div)を連続的に可変できます。
また、拡大される波形の部分のスクリーン上での幅(輝度変調の部分)は、遅延掃引の掃引時間を設定するB SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定位置で決まります。
このB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを右に回すと掃引時間は速くなり、拡大される部分の幅は狭まり(拡大率が大きくなる)ます。反対にB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを左に回すと掃引時間は遅くなり、拡大される部分の幅は広がり(拡大率が小さくなる)ます。
なお、主掃引(A掃引)によりスクリーンに表示される波形のうち、遅延掃引(B掃引)により拡大される部分については輝度変調(上図では、主掃引の波形のうち太く見える部分)がかけられ、他の部分より明るく見えてどこが拡大される部分かはっきりわかるようになっています。
遅延時間
最初のトリガ信号の発生から遅延トリガ信号の発生までの時間を遅延時間と呼び、DELAY POSITIONツマミ(機種によっては、DELAY TIME POSITION、略してDTPまたはDTPダイヤルともいう)で可変できます。
遅延掃引では、下図のように、スクリーンに表示されている主掃引の波形の拡大したい部分の左端(遅延掃引の開始点になります)に、輝度変調(波形の一部分を明るくする)のかかった部分の左端をDELAY POSITIONツマミで合わせます。
このDELAY POSITIONツマミによりスクリーン上では水平軸の幅(0.2 div〜10 div)を連続的に可変できます。
また、拡大される波形の部分のスクリーン上での幅(輝度変調の部分)は、遅延掃引の掃引時間を設定するB SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定位置で決まります。
このB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを右に回すと掃引時間は速くなり、拡大される部分の幅は狭まり(拡大率が大きくなる)ます。反対にB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを左に回すと掃引時間は遅くなり、拡大される部分の幅は広がり(拡大率が小さくなる)ます。
なお、主掃引(A掃引)によりスクリーンに表示される波形のうち、遅延掃引(B掃引)により拡大される部分については輝度変調(上図では、主掃引の波形のうち太く見える部分)がかけられ、他の部分より明るく見えてどこが拡大される部分かはっきりわかるようになっています。
No. 94 遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引
拡大する部分の設定
これまでの説明を整理すると、波形の拡大する部分の開始ポイントはDELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定し、拡大率はB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを右に回すことにより拡大できます。
上図のように、この拡大率は、基本的にA SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値に対するB SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値の比率で決まります。
例えば、A SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値が10 ms/divの時に、B SWEEP TIMIE/DIVスイッチが1 ms/divであれば10倍(10 ms / 1 ms)の拡大率です。
次にB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを0.5 ms/divに切り換えると20倍(10 ms / 0.5 ms)になり、更に0.1 ms/divに切り換えれば100倍(0 ms / 0.1 ms)の拡大と、任意に変えることができます。
「×10MAG」との相違
掃引拡大の「×10MAG」は、簡単に波形を10倍にできますが、遅延掃引にはそれに勝るメリットがあります。
● 拡大する部分の開始点を自由に決められる。
● 拡大率は10倍に限定されず広範囲な倍率で設定できる。
● 水平方向の直線性が良い(波形歪みが少ない)。
● 同期遅延により揺らぎ(ジッタという)が少ない観測もできる。
拡大する部分の設定
これまでの説明を整理すると、波形の拡大する部分の開始ポイントはDELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定し、拡大率はB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを右に回すことにより拡大できます。
上図のように、この拡大率は、基本的にA SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値に対するB SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値の比率で決まります。
例えば、A SWEEP TIMIE/DIVスイッチの設定値が10 ms/divの時に、B SWEEP TIMIE/DIVスイッチが1 ms/divであれば10倍(10 ms / 1 ms)の拡大率です。
次にB SWEEP TIMIE/DIVスイッチを0.5 ms/divに切り換えると20倍(10 ms / 0.5 ms)になり、更に0.1 ms/divに切り換えれば100倍(0 ms / 0.1 ms)の拡大と、任意に変えることができます。
「×10MAG」との相違
掃引拡大の「×10MAG」は、簡単に波形を10倍にできますが、遅延掃引にはそれに勝るメリットがあります。
● 拡大する部分の開始点を自由に決められる。
● 拡大率は10倍に限定されず広範囲な倍率で設定できる。
● 水平方向の直線性が良い(波形歪みが少ない)。
● 同期遅延により揺らぎ(ジッタという)が少ない観測もできる。
No. 95 遅延掃引(Delayed Sweep)
遅延掃引
連続遅延と同期遅延
通常のトリガ信号とは別に、遅延掃引では遅延トリガ信号により遅延掃引(B掃引)が掃引を開始するようになっています。
この遅延トリガ信号の発生の仕方により、連続遅延(Starts After Delay)と同期遅延(Triggerable After Delay)の二つの遅延掃引方式があります。
どちらも遅延掃引に違いはないのですが、遅延掃引の開始の仕方がそれぞれ少しずつ異なっていて一長一短があります。
連続遅延(Starts After Delay)
この遅延掃引では、通常のトリガ信号が発生してから、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定された時間の経過後に、遅延トリガ信号が発生し遅延掃引(B掃引)が掃引を開始します。
上図のように、このモードでは、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で連続的に遅延掃引(B掃引)を開始するポイントを設定できます。
連続的に可変できるため時間間隔の測定に都合がよいのですが、拡大率を上げていくと次第に拡大波形が左右方向に揺らぎ(ジッタ)はじめ不安定になる欠点があります。
同期遅延(Triggerable After Delay)
連続遅延と異なる点は、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定された時間の経過後に発生する、最初のトリガ信号により掃引を開始します。
上図のように、このモードでは、あらかじめ設定された遅延時間経過後、すぐには遅延掃引が開始しないため、波形の任意の部分からの拡大はできません。
しかし、設定された遅延時間の経過後、最初のトリガ信号により遅延掃引を始めるため、波形の拡大率が上がってもジッタが目立つようなことはありません。
連続遅延と同期遅延
通常のトリガ信号とは別に、遅延掃引では遅延トリガ信号により遅延掃引(B掃引)が掃引を開始するようになっています。
この遅延トリガ信号の発生の仕方により、連続遅延(Starts After Delay)と同期遅延(Triggerable After Delay)の二つの遅延掃引方式があります。
どちらも遅延掃引に違いはないのですが、遅延掃引の開始の仕方がそれぞれ少しずつ異なっていて一長一短があります。
連続遅延(Starts After Delay)
この遅延掃引では、通常のトリガ信号が発生してから、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定された時間の経過後に、遅延トリガ信号が発生し遅延掃引(B掃引)が掃引を開始します。
上図のように、このモードでは、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で連続的に遅延掃引(B掃引)を開始するポイントを設定できます。
連続的に可変できるため時間間隔の測定に都合がよいのですが、拡大率を上げていくと次第に拡大波形が左右方向に揺らぎ(ジッタ)はじめ不安定になる欠点があります。
同期遅延(Triggerable After Delay)
連続遅延と異なる点は、DELAY POSITIONツマミ(またはDTPダイヤル)で設定された時間の経過後に発生する、最初のトリガ信号により掃引を開始します。
上図のように、このモードでは、あらかじめ設定された遅延時間経過後、すぐには遅延掃引が開始しないため、波形の任意の部分からの拡大はできません。
しかし、設定された遅延時間の経過後、最初のトリガ信号により遅延掃引を始めるため、波形の拡大率が上がってもジッタが目立つようなことはありません。
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