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2014/03/11

No. 15 オシロスコープの回路構成

トリガ掃引方式オシロスコープの回路構成

オシロスコープの回路構成をブロックダイアグラムで示し、ブロック毎の動作を簡単に説明します。



「入力減衰器」

オシロスコープへ入力される観測信号は、一般的に0.1 mV位から500 V位までと、かなり幅があります。

入力された信号電圧によっては、蛍光面(スクリーン)に描かれる波形が拡大され過ぎて一部分しか見えなかったり、また反対に小さ過ぎて波形の形が見えないこともあります。

このような時に、この減衰器で減衰量を増減して蛍光面(スクリーン)に描かれる波形をちょうどよい大きさにします。

「垂直プリアンプ」

減衰器で適当なレベルに調節された信号電圧を、歪みなく増幅する広帯域増幅器です。

「遅延回路」

遅延回路とは物理的には遅延ケーブルのことで、電気信号がこのケーブルを通過する時に0.2マイクロ秒位遅れます。

高速で変化する電気信号を観測する場合に、蛍光面(スクリーン)に表示される波形の最初の部分が見える様にする為です。

「垂直メイン・アンプ」

遅延回路を通過した広帯域の信号を歪みなくブラウン管の垂直偏向板を駆動するに必要な電圧まで増幅します。

「トリガ発生器」

蛍光面(スクリーン)に描かれる波形がちらつかず安定に見えるためには、常に波形の同じ点から掃引を始める必要があり、これを同期をとると言います。

同期をとるためには、垂直プリアンプから観測信号の一部を取り出し、その信号のある点で負のパルスを作ります。このトリガ・パルスにより掃引ゲート回路を働かせノコギリ波を発生させます。

「掃引ゲート回路」

ノコギリ波の発生をON/OFFさせるための回路です。トリガ発生器からトリガ・パルスが入力されると、この回路の出力が負となって、その状態が続いている時間だけ掃引発振器からノコギリ波が発生します。

「掃引発生器」

掃引ゲート回路からの負のゲート信号でノコギリ波を発生させます。また、ノコギリ波の掃引速度もここで増減します。

「ホールドオフ回路」

掃引の終了後、少し時間をおいて回路全体が安定状態なるまで待機させる回路です。

水平軸増幅器」

掃引発生器からの信号(ノコギリ波)を、歪みなくブラウン管の水平偏向板を駆動するに必要な電圧まで増幅します。

「アンブランキング回路」

掃引がスタートすると同時に蛍光面(スクリーン)に輝線を出し、掃引が終了した時点で輝線を消します(これはノコギリ波がピークからゼロに戻る間は輝線を見えなくするためです)

電源/高圧回路」

回路に供給する低電圧電源(数Vから数十V)と、ブラウン管の各電極に供給する高圧電源(数千V)です。

「校正電圧回路」

1 kHzの方形波信号を出力します。「入力減衰器」やプローブの校正に用いられます。

「ブラウン管」

静電偏向形が用いられています。蛍光面(スクリーン)のサイズは75mmから150mmが一般的です。

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