「テスターでは 50Hzや 60Hz程度の交流電圧は測れるが、速く振動する交流は測れない」
私たちの身の回りには、直流と交流があります。
直流といえば、私たちの身近にある家電製品の多くに使用される乾電池があります。自動車には充電可能な蓄電池が積まれています。
その電流が流れる向きは常に一定で、直流電圧はテスターを使えば誰でも簡単に測ることができます。
一方、交流は電流の流れる方向が交互に入れ替わるもので、身近な例では、家庭で使用される商用電源 100V (東日本では 50Hz、西日本では 60Hz) がそれにあたります。
50Hzの場合は、1秒間に 50回それを繰り返すわけで、仮にとても動きが軽くゼロの目盛が中心にあるメータで測れば 1秒間に 50回の割でその指針が左右に振れることになります。
しかし、現実にはこのようなメータはありませんし、仮にあったとしても私たちにはその動きを目で追うことはできません。
一般家庭に入っている交流を「100V」とテスターで測っていますが、実は瞬間瞬間で電圧が変わるこの交流電圧を、エネルギー的に等価な直流電圧に置き換え、その時に測った電圧値を「実効値」と定義しています。
一般家庭に入っている交流を「100V」と言うのは、この実効値でのことです。しかし、オシロスコープでその波形を見ると、正弦波として見えて、波形の最大になる点(最大値と言います)が約 141V であることがわかります。
ですから、テスターでは、常にその電圧値が高速で変化している交流(あるいは高周波)の瞬間瞬間の値を測ることは不可能なのです。
そこで、考案されたのがオシロスコープです。
オシロスコープは「電圧」の「時間的な変化」をブラウン管上に波形として描き観測するための測定器です。
余談ですが、
数式で言えば、「実効値」のルート2倍(約 1.414倍)が「最大値」になります。ただし、これは正弦波の時に限ります。念のため。
また、私たちの家庭で使用している 100Vもそうですが、交流電圧では断りのない限りその電圧値は「実効値」です。
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