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2014/03/11

No. 10 波形がブラウン管に描かれる仕組み

「波形がブラウン管に描かれる仕組み」

交流電圧(正弦波)を垂直偏向板に、ノコギリ波を水平偏向板に同時に加えたら輝点はどのように動くでしょうか?

(なお、「ノコゴリ波」とは、大工さんの使う鋸の様な形をした波形のことで、三角形の形からその様に名付けられています)

まず最初に水平偏向板にノコギリ波を加えると、蛍光面上で光る輝点は左端から右へ等速度で移動します。蛍光面中央を横切って右端まで行くと一瞬消滅しますが、すぐに先程と同じ左端に現れ、再度右へ移動を始め、以後この動作を繰り返します。

通常はノコギリ波の繰り返し周期が速いため、輝点の移動というよりむしろ一本の輝線として見えますが、この動作をオシロスコープでは掃引する(Sweepする)と言います。

次に、この状態で垂直偏向板にノコギリ波と同じ周期の正弦波を加えると、蛍光面の輝点の動きはどうなるでしょうか?


上図のように、水平偏向板に 1 Hz(1周期が1秒)ノコギリ波を加えてみます。

一定のスピードで電圧が上がっていきピークに達すると急激にゼロへ戻るノコギリ波では、輝点は蛍光面の左端 0 点からスタートし右方へ等速度で移動 1 → 2 → 3 → 4 で中央を通過し 5 → 6 → 7 → 8 で右端に到達します。そして、次の瞬間に左端 0 へ戻ります(この後も順次この動作を繰り返します)。

同時に、垂直偏向板に 1 Hz(1周期が1秒)の正弦波が加えます。

同じ0 点からスタートし 1 → 2 で最大(+のピーク)になりで 3 → 4 でゼロ、そして 5 → 6 で最大(−のピーク) になり 7 → 8 で右端の元の点に到達します(この後も順次この動作を繰り返します)。

この動きを追うと、 0 → 1 → 2 → 3 → 4 → 5 → 6 → 7 → 8 と輝点は水平方向に等速度で進み、同時に 0 → 1 → 2 → 3 → 4 → 5 → 6 → 7 → 8 と垂直方向に正弦波の振幅に応じた距離だけ移動します。この動きが輝点の軌跡として描かれるわけです。

文章での説明では難解かもしれません、「ここ」へアクセスしてみてください。

大雑把ですが、これがオシロスコープの原理です。

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