オシロスコープの用語
オシロスコープに関連する用語について簡単に説明しておきます。
×10MAG(掃引拡大)
水平増幅器の増幅度をワンタッチで10倍する(波形が左右に10倍拡大される)。
1 - 2 - 5ステップ
垂直感度調整器(VOLTS/DIV)と掃引時間切替器(SWEEP TIME/DIV)のレンジ表示が、1→2→5→10→20→50→100のようにステップが 1、2、5と繰り返すこと。
AC
Alternate Currentの略で、交流のこと。
ADD(加算、和)
Addition(加算)の略で、CH1とCH2に入力された信号電圧を足し算してスクリーンに表示する。
ALT(2現象)
Alternate(交互に)の略で、2現象オシロスコープでCH1とCH2に入力された信号を交互に掃引してスクリーンに表示する方法で、掃引時間が速い時に有効。
AUTO
オートフリーランとも呼ばれ、無信号時にも輝線が表示され、信号が入力されるとトリガ掃引を行う。
CAL(校正)
Calibration(校正)の略で、VOLTS/DIV(垂直感度調整)とSWEEP TIME/DIV(掃引時間切替器)それぞれのVARIABLE(微調整)ツマミを右に回し切ってCALにすると偏向感度と掃引時間が校正された状態になる。
CAL端子(校正用電圧端子)
アッテネータ・プローブや垂直感度調整(VOLTS/DIV)、掃引時間切替器(SWEEP TIME/DIV)を校正するための信号を出力する端子。
Cathode Ray Tube(CRT、陰極線管)
陰極線管のこと、一般的にはオシロスコープに使われているブラウン管を指す。
CH1 OUT
CH1に入力された信号電圧が増幅されこの端子に出力される。
CH2 INV (CH2 POLARITY、CH2反転)
CH2の波形の極性を反転(極性を反転)してスクリーンに表示する。
CHOP(2現象)
2現象オシロスコープで各チャンネルの信号を高速で切り替え(スイッチング)て交互に波形を表示する方式で、掃引時間が遅い時に用いられる。
CHOP周波数
2現象オシロスコープで、各チャンネルを交互に切り替える信号の周波数。
CRT(Cathode Ray Tube、陰極線管)
DC
Direct Currentの略で、直流のこと。
DIV
Divisionの略で、ブラウン管のスクリーンに表示されているスケール1目盛のこと。
DUAL(2現象)
ALTまたはCHOPにより二つの信号を同時に表示する2現象表示モード。
FET プローブ
FET(電界効果トランジスタ)を使った無減衰で低入力容量のプローブ。
GND(アース、接地)
Groundの略で、接地(アース)のこと。
INV
Invertの略で、表示される波形の極性を反転すること。
Peak to peak
波形のプラスの最大値からマイナスの最大値までの振幅(p-pと略す場合もある)。
Probe (プローブ)
TTL
Transistor Transistor Logicの略で、トランジスタとダイオードを用いた論理回路のこと。
TV FRAME(フレーム信号、TV-V)
テレビジョンの映像信号のうち垂直系信号のこと。
TV LINE(ライン信号、TV-H)
テレビジョンの映像信号のうち水平系信号のこと。
TV-H(TV LINE)
TV-V(TV FRAME)
UNCAL(非校正)
VOLTS/DIV(垂直感度調整)とSWEEP TIME/DIV(掃引時間切替器)が校正されていない状態(CALも参照)。
Vp-p
波形の+のピークから−のピークまでの電圧値の単位。
X-Y測定(リサジュー)
水平軸を時間軸とせず、垂直軸と同じ電圧軸として用い、両方の入力信号によるリサジュー図形により測定する。
X軸(水平軸)
Y軸(垂直軸)
Z軸
X軸、Y軸に対し輝度変調(表示波形の一部分を明るくする)を意味する用語。
Z AXIS INPUT
輝度変調のための信号を入力する端子で、X軸、Y軸に対しZ 軸と呼ばれる。
アース(GND)
接地すること。
アッテネータ・プローブ(電圧プローブ)
被測定回路からの信号を忠実にオシロスコープの入力回路へ導くためのツールで、一般的には、信号電圧が十分の一になるためアッテネータ・プローブと呼ばれる。
アンブランキング回路
掃引開始と同時にブラウン管の第1グリッドのバイアス電圧をプラスにして電子ビームを通過させ蛍光面に衝突させ輝線(波形)を表示させ、掃引終了とともにこれをマイナスに戻し輝線を消去する回路。
位相
振動を繰り返す波形において、1サイクル中のある瞬間での位置。
位相差
二つの波形の時間的なズレ。
陰極線管(Cathode Ray Tube 、CRT)
映像信号(ビデオ信号)
テレビジョンの信号のうち映像関係の信号。
オート・フォーカス
ブラウン管の焦点(フォーカス)を自動的に行う機能。
下限周波数
増幅器の増幅度が、直流(DC)の時の約70 %になる低域での周波数。
加算(ADD、和)
カソード
ブラウン管の電子銃部の中にあり、電子を放射する電極。
カソード・レンズ系
電子銃部で、電子ビームを集束し更に加速させ前方へ進ませる役目をする、カソードと制御グリッド、第2グリッドで構成されている部分。
加速
電子銃内のカソードから放射された電子ビームの速度を更に増加させること。
加速電圧
ブラウン管のカソードから放射された電子ビームを加速して蛍光面に衝突させるための加速電極に加える電圧。ブラウン管の種類により2 kVから20 kV程度の電圧で、この電圧が高いほど波形の輝度が明るくなる。
可聴帯域
人間の聴覚で感じられる周波数範囲。
輝線
掃引する時にスクリーンに表示される明るい直線。
輝点(スポット)
垂直軸と水平軸の両方に入力がない場合、スクリーンに表示される明るい点。
輝度
スクリーンに表示される輝線(波形)の明るさ。
輝度変調
外部からブラウン管の第1グリッドの電圧を制御することにより、表示されている波形の特定の部分の輝度を変えること。
基本波
高調波の元になる周波数の波形。
キャリ(CAL)
極性反転
波形のスロープを逆(+→−または−→+)にすること。
許容誤差
定格値に最初から表記されている誤差。例えば、1 V±5 %など。
ゲート信号
掃引発生器の動作をON/OFFする信号。
蛍光物質
ブラウン管の蛍光面に塗布された物質で電気的な刺激で発光する性質を持ち、その種類により発光色や発光時間が決まる。
蛍光面
蛍光物質が塗布され、電子ビームの衝突で発光するブラウン管のスクリーン部分。
減算(差)
コーン部
ブラウン管を構成するガラス筐体の胴体部分。
高圧プローブ
高い電圧(数kVから十数kV)を測ることを目的としたプローブ。
校正(CAL)
校正電圧
アッテネータ・プローブや垂直感度調整(VOLTS/DIV)、掃引時間切替器(SWEEP TIME/DIV)を校正するための信号電圧。
校正用電圧端子 (CAL端子)
アッテネータ・プローブや垂直感度調整(VOLTS/DIV)、掃引時間切替器(SWEEP TIME/DIV)を校正するための信号を出力する端子。
後段加速電極
ブラウン管のコーン部に塗布されている導電被膜を第2陽極から分離させ、更に高い電圧を加えられるようにした電極。
後段加速ブラウン管
後段加速電極を持つブラウン管で高い周波数領域においても十分な輝度が得られる。
高調波
基本の波形に対し整数倍の周波数を含む波形。
差(減算)
最大許容入力電圧
入力できる最大限度の電圧。
最大値
波形の振幅のうち最大になる値(振幅がランダムに変化する波形では尖頭値という)。
残光形ブラウン管
蛍光面(スクリーン))に表示される波形は通常は数十ミリ秒で消えてしまうが、秒単位の残像効果を保持できるような蛍光物質を塗布してあるブラウン管。
残光時間
スクリーンに波形が表示されてから消えるまでの時間。
時間軸
水平軸と類似の意味だが、スクリーンの水平方向を時間で表す時に用いる用語。
実効値
交流電圧の単位で、波形の形ではなく、波形の持つエネルギーの量から定義されていてる。単位は、Vr.m.s.であるが通常は省略され単にVで表され(一般家庭で使用されている交流100 Vの単位はこの実効値である)。
周期
波の変化が一回りして最初の点まで戻るに要する時間(周波数の逆数)、単位は秒。
集束
ブラウン管内で拡散しようとする電子ビームを細く束ねる(絞り込む)こと。
周波数
交流の1秒間に振動する回数(周期の逆数)、単位はHz。
周波数帯域
増幅器の利得(損失)がDCから、基準周波数(オシロスコープの場合は1 kHz)の70 %になる周波数(上限周波数)までをいう。
周波数特性
増幅器の利得(損失)の周波数に対する変化の割り合いを表したもの。
瞬時値
時々刻々と変化する交流のある時刻での値。
上限周波数
増幅器の増幅度が、直流(DC)の時の約70 %になる高域での周波数。
焦点
ブラウン管の蛍光面に衝突する電子ビームの断面を小さく丸くすること。
商用交流
一般家庭で使用されている交流(00 V、50 Hz or 60 Hz)。
商用電源
一般家庭で使用されている交流電源(100 V、50 Hz or 60 Hz)を指す。
信号遅延ケーブル(ディレー・ライン)
垂直増幅器を通過する信号を時間的に遅らせるためのケーブル。
垂直系ビデオ信号
テレビジョンの映像信号のうち垂直系の信号。
垂直軸(Y軸)
ブラウン管の上下方向の電圧特性を表す時に用いる。
垂直増幅器
オシロスコープのメインになる増幅器で、ブラウン管内の垂直偏向板の駆動に必要な電圧まで歪み無く増幅する。
垂直偏向板(Y軸偏向板)
電子銃部の前にあって、電子ビームの進行方向を垂直方向に曲げる働きをする。
水平系ビデオ信号
テレビジョンの映像信号のうち水平系の信号。
水平軸 (X軸)
ブラウン管の左右方向の時間特性を表す時に用いる。
水平偏向板 (X軸偏向板)
電子銃部の前にあって、電子ビームの進行方向を水平方向に曲げる働きをする。
スクリーン
ブラウン管の蛍光面で波形の表示されるエリア、格子状(縦8横10)の目盛付き。
制御グリッド (第1グリッド)
正弦波
三角関数sin, cos, tanのsin・・サインウェーブのこと。
静電偏向形ブラウン管
ネック部分の内部に偏向板が配置され、それに加える電圧を加減して電子ビームを偏向する方式のブラウン管(主としてオシロスコープ用)。
尖頭値
振幅がランダムに変化する波形において振幅が最大になった時の値(正弦波や方形波では最大値と呼ばれるのが一般的)。
掃引
信号の入力に合わせ、スクリーンの左端から右端まで等速度で輝点を移動させること。
掃引拡大(×10MAG)
掃引時間
輝点がスクリーン上の水平目盛を1目盛移動するに要する時間(s/divで表す)。
第1グリッド(制御グリッド)
ブラウン管内の電子銃部にある電極で、電子ビームを細く束ねる働きをする。
第1陽極
ブラウン管内の電子銃部にある電極で、電子ビームのフォーカスを絞る働きをする。
第2グリッド
ブラウン管内の電子銃部にある電極で、電子ビームを加速させる働きをする。
第2陽極
ブラウン管内の電子銃部にある電極で、電子ビームを更に加速する働きをする。
多現象表示
オシロスコープで、複数の波形を同時に表示させること。
立上り時間
パルス波や方形波などの振幅が10 %から90 %までに要する時間(秒)。
立下り時間
パルス波や方形波などの振幅が90 %から10 %までに要する時間(秒)。
地磁気
地球の磁場による磁気。
超低周波
数Hz以下の非常にゆっくり振動する波(耳では聴けないような低い振動)。
直線性
二つの次元が正比例の関係にあること。
ディレー・ライン (信号遅延ケーブル)
電圧プローブ(アッテネータ・プローブ)
電源周波数
一般家庭で使用している商用交流の周波数(東日本では50 Hz、西日本では60 Hz)。
電子銃(ガン)
ブラウン管のネック部にあり、細く集束された電子ビームを蛍光面へ向けて高速で発射させるための電極部分、ガン(Gun・・・・銃の意味)とも呼ばれる。
電子ビーム
ブラウン管内の電子銃から蛍光面へ高速で向かう、細く集束された電子の流れ。
電磁偏向形ブラウン管
ネック部の外側に偏向用のコイルを取り付け、そのコイルに電流を流して磁界を発生させ電子ビームを偏向する方式のブラウン管(テレビジョンに多く使用されている)。
電流ブローブ
電流の変化を電圧の変化に変換してオシロスコープに導くツール。
同期
スクリーンに表示する波形を静止させるため、垂直軸の信号と水平軸(ノコギリ波)のタイミングを合わせること。
同期掃引方式
掃引用のノコギリ波を垂直軸の信号と関係なく発生させておき、マニュアル操作でその周波数や位相を変えながら、表示される波形を安定に静止させるようにした方式。
導電被膜
ブラウン管内のコーン部に塗布され、高電圧で電子ビームを更に加速する役目を持つ。
トリガ
広義な意味で、スクリーンに表示された波形を静止させること。
トリガ信号 (トリガ・パルス)
掃引用のノコギリ波をスタートさせるために、入力信号から生成されたパルス信号。
トリガ掃引方式
垂直軸に入力された信号により発生させたトリガ・パルスに同期してノコギリ波の掃引がスタートし波形を安定に表示させる方式。
トリガ発生器
垂直軸に入力された信号によりトリガ・パルスを生成させる回路。
トリガ・パルス(トリガ信号)
トリガ・レベル
掃引を開始するための波形のレベル。
入力インピーダンス
電気信号を入力する側から見たその回路の内部抵抗。
ネック部
ブラウン管を構成するガラス筐体の細くなった部分(電子銃の付近)。
ノコギリ波
鋸(ノコギリ)の歯の形をした波形で、オシロスコープでは掃引用の波形。
発光時間
ブラウン管の蛍光面に塗布された蛍光物質が電子の衝突で光っている時間。
発光色
ブラウン管の蛍光面に塗布された蛍光物質が電子の衝突で発光した時の色。
パルス周期
パルス波形の1周期に要する時間、単位は秒。
パルス振幅
パルス波形の振幅の0 %から100 %までの距離、単位はVp-p。
パルス波
極めて短い時間にある値から他の値に変化し、また短時間に元に戻るような波形。
パルス幅
パルス波や方形波の振幅の立ち上がりと立ち下がりで50 %ラインを横切る時間(秒)。
ハレーション
INTENSITY ノブを右に回し過ぎると、スクリーンに表示される波形が太く滲むように見え始め、時には蛍光面全体が明るくなってしまう現象。
ピーク値 (尖頭値)
ヒータブラウン管内の電子銃部にある電極で、外側にあるカソードを加熱する働きをする。
非校正(UNCAL)
ビデオ信号
テレビジョンの信号のうち映像関係の信号。
フォーカス・レンズ系
電子銃部で、蛍光面に焦点を合わせる役目をする、第1陽極と第2陽極、第2グリッドで構成されている部分。
ブラウン管
陰極線管(Cathode Ray Tube)の通称で、大別するとテレビジョンに用いられている電磁偏向形とオシロスコープに用いられている静電偏向形がある。オシロスコープにおいてはブラウン管のことをCRTと略すことが多い。
フレーム信号 (垂直系ビデオ信号)
プローブ(Probe)
被測定回路からの信号を忠実にオシロスコープの入力回路へ導くためのツールで、電圧プローブ、電流プローブ、高圧プローブなど用途により各種ある。
偏向
ブラウン管の電子銃部から放射された電子ビームの進行方向を曲げること。
偏向感度
輝点がスクリーン上の目盛を1目盛移動するに要する電圧(Volts/divで表す)。
偏向板
ブラウン管内の電子銃部の前方に配置され、垂直に向かい合う電極と水平に向かい合う電極があり、電子ビームの進行方向を制御する。
偏向部(ヨーク)
ブラウン管内の電子銃と蛍光面の中間にあって電子ビームの進行方向を上下左右に曲げる働きをする電極部分で、ヨークとも呼ばれる。
ホールドオフ
不規則な周期の信号や複雑な波形の信号を観測するため、掃引時間に関係なく掃引の周期を変化させる機能。
方形波
四角形の形をした波形で、瞬時に一定の値になり、あらかじめ定められた時間だけその状態を保った後、瞬時に逆向きの状態になり、次に元へ戻る、以後これを繰り返す波形。
補助目盛
ブラウン管のスクリーンにある目盛(1 div)を更に5等分した0.2 div間隔の目盛。
目盛
ブラウン管のスクリーン上にある格子状(縦8 div横10 div)に区切った線。
有効面
ブラウン管のスクリーンで波形が歪み無く表示される範囲(通常は縦8 div横10 divの目盛のある範囲)。
ヨーク (偏向部)
陽極
ブラウン管内の電子銃部にある電極で、電子ビームの焦点や加速に関わる部分。
ライン信号 (水平系ビデオ信号)
リサジュー (リサージュ、リサジウ、リサジュ)
互いに直角方向に振動する二つの単振動を合成して得られる平面図形で、オシロスコープではX-Y測定などと呼ばれることも多い。
和(ADD、加算)
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